
今年度1回目の総合計画審議会が27日に館山商工会館で開かれました。
まず、基本構想のパブコメにつきまして、私もSNSやHP上で呼びかけた委員の一人として、ご意見を寄せていただいた方に深く感謝申し上げます。
延べ56件のパブコメがありました。前回H27年の第4次総合計画基本構想のパブコメは6件だったそうなので、大幅に増えたことになります。内容も熱量の高いものが多く、まちの未来を思う市民の方々がたくさんいることを実感しました。
取り入れられるものは基本構想に反映されました。
一方、基本構想は原案の図にあるように、あくまで計画のピラミッドのトップに位置する理念なので、具体的な提案は今後の基本計画、実施計画で議論されることになるため、そのように回答されているケースも多かったのでご了承ください。

パブコメへの回答は近日中に募集と同じ市のHPで公開されます。
さて、R7年度で新総合計画の策定完成に向けてスピードアップしていくことになります。続いての議題は、「基本計画」と「実施計画」です。
これまでの総合計画は基本計画との2層構造だったので、ある意味では「理念」先行で成果はあまり問われていませんでした。
しかし新総合計画から「実施計画」を紐づけて、毎年度見直しを行うことが決まりましたので、どのような具体的な事務事業になるのか注目が集まります。
先進自治体は、この実施計画をフルコストベースの事業シートとして公開しています。職員負担が増すと敬遠されがちですが、議会の資料請求が大幅に減少したという自治体もあります。
近いところですと、鴨川市は決算資料を人件費も含む事業シートとして公表しています。
https://www.city.kamogawa.lg.jp/soshiki/3/15139.html
ここに至るまでに努力された関係者の方はすごいと思います。作ったからといって劇的に改善されるわけではないですが、実直にじわじわと成果を上げる行財政改革の一つであることに間違いありません。
以下、事業シートの意義についてAIが端的にまとめてくれました。
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1. 財政の透明性向上と住民への説明責任の強化
事業ごとの人件費、物件費、間接費(庁舎維持費など)を含めた全体コストを明らかにすることで、住民に対する「見える化」が進みます。単なる予算額ではなく、事業にかかる本当のコストを示すことで、税金の使途についての説明責任を果たせます。
2. 事業評価の精度向上と意思決定の合理化
フルコストで把握することで、事業ごとの費用対効果が適切に評価できます。
「成果が小さいのに多額の間接コストがかかっている事業」などを特定でき、予算の再配分や見直しの根拠になります。
3. 政策的優先順位の明確化
実施計画における各事業のコストと目的を比較することで、どの事業を優先すべきか、政策的な優先順位付けがしやすくなります。有効性の高い事業にリソースを集中させる戦略的な行政運営につながります。
4. 職員のコスト意識と業務改善の促進
職員が自分の業務がどれだけのコストを生んでいるかを認識することで、コスト意識が醸成され、業務改善のモチベーションになります。同時に、「もっと安く効果的にできる方法はないか」という創意工夫が生まれる土壌ができます。
5. 議会や市民との建設的な対話の促進
数値に基づいた資料があれば、感情論に偏らず、冷静で論理的な議論が可能になります。「どの事業にいくら使っているか」が明確であれば、議会での議論や市民参加の場での議論も建設的になります。
6. 外部監査や第三者評価への対応力強化
フルコスト情報は、監査委員や外部評価者にとっても、事業の妥当性を判断するうえで不可欠な資料になります。政策の正当性や合理性の証明にもなり、自治体経営の信頼性が向上します。
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昨年の議会で提案もさせていただきましたが、その時は実施の予定はないが研究は進めるとの回答がありました。
職員の方々は初の試みで大変なことだと思いますが、実効性のある内容にしていただくことが、結果的には労務コスト軽減、生産性の向上に直結すると思います。
次回は、8月の前半で調整が進められています。