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賛否分かれる障害者医療費給付制度の見直し

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3月議会も常任委員会、予算審査特別委員会が終了し、残すは24日最終日の本議会での質疑、討論や採決となりました。

私は、「心身障害者医療費支給条例の一部を改正する条例の制定」に反対のため、条例改正と連動した令和7年度一般会計予算(当初予算)にも反対を表明することになりました。

この制度は、県内市町村に先立って始めた館山市独自の制度で、心身障害者の医療費に対し、年間1億1100万円(うち一般財源6700万円)を市が給付しています。今回の改正では、市単独にあたる中軽度障害者分を見直す内容となっています。

具体的には、中度の非課税世帯は継続するものの、軽度の方は対象から外れます。改正により市の財政負担は約2200万円削減される見込みです。

なぜ見直すのかという理由としては、何より財政状況の厳しさもありますが、新たに「基幹相談支援センター」を設ける方針が固まったためです。センターは従来から必要性が求められていましたが、新しいことをやるためには何かスクラップせねばならないという苦渋の判断で、市単独事業は縮小する検討に入りました。

議員に対しては、昨年9月から何度か説明があり、丁寧に利用者の実態を把握するよう要望していました。その後11月から窓口に申請にきた利用者にアンケートが取られ、本議会で、条例の改正と当初予算が上程されました。

R5年度実績で359人の利用者中、93人のアンケートで回答率は26%。中には、影響があり生活できないと答えた方が12件あり、そのうち数件は非課税世帯でない(つまり対象から外れる可能性あり)ことも分かっています。

確かに、障害者自立支援は国の制度が手厚くなり、他の自治体がこの制度をやっていないことを考えると、「生活できない」という真意を見極める必要があります。他の制度でまかなえると考えるのが妥当ですが、もう一歩踏み込まないと見えてきません。

この制度を頼って生活していた側からすれば、負担は増しますから、診察控えも起こるかもしれません。特に障害者がいる世帯が抱えている日常の負担を考えれば、心理的ダメージも大きいと推測されます。

私も、今の館山市の財政状況を考えれば、単独事業がいずれ維持できなくなる可能性は承知しているつもりです。ただし、質疑を聞いても、判断の材料が不足していないか、説明不足でないかという点が否めません。

私の中での論点は、「命と財産を守るという行政の役割に照らせば、時間をかけて生活状況を把握すべきではないか」「条例議案と当初予算が同時に上程されるのは拙速なのではないか」という手続的な観点です。

この件について頭を悩ましておりましたら、とある専門家から、「今、地方自治は撤退作戦の真っ只中にある。よりましな撤退の仕方を試行錯誤している」というお話を聞きました。

「なるほど、その通りだ」と感じました。何事も、「始めるより辞めるのは何倍も大変だ」と。特に人々の税金で運営している行政は、辞めるのが大変苦手な組織です。

だからこそ、市民との対話が一層重要なのではないでしょうか。一対一の対話が現実的でないなら、地域運営組織のように広域で意見をまとめるコミュニティ政策が必要ではないでしょうか。市民協働をするための仕組みづくりに市は何をしてきたのでしょうか。

学校再編も、撤退の象徴ですが、この大きなテーマに対し、教育委員会は各地に100回以上足を運んで住民の話を聞いたといいます。こうした手続きを踏めば、住民はきっと納得してくれると信じています。

脱線しました。

撤退は痛みを伴いますので、誰もやりたくないです。だからこそ先送りにされてきた課題があります。その点、森市長は真っ向から市全体のバランスと将来を考慮して、手付かずの問題に着手していることは、政治家としての覚悟だと思います。

一方、今回の条例改正は、答えありきで拙速すぎないか、対話が少ないのではないかという点は最後までぬぐえませんでした。議会では、委員会でも賛否が分かれ(賛成多数)ていますが、本議会で賛成多数で可決となる可能性が高いです。私は今後、さらなる対話を要望する思いも込めて反対を表明します。