
議会改革特別委員会の4回目の会合がありました。12月までに結論を出す委員会なので、議論も本格化しています。
私は基本的に「議員数は人口減少に合わせて減らしていくべきだ」と考えています。実際、館山市の人口は最盛期の約5万6千人から4万3千人まで、今や年間500人ずつ減っています。かつて30人いた議員も今は18人。それでもなお、「多すぎる」という声は根強くあります。
ではなぜ、議員数の適正化の議論が進まないのか。そこには「議員の仕事が見えづらい」という問題があります。
今回の会合でも、「市民が議員の仕事をよく知らない中で、アンケートをしても意味があるのか」という意見が出ました。たしかに、議員の仕事は議会での採決だけでなく、市民からの相談や提案を日々受け、執行部とやり取りすることもあります。
ただ、そうした活動は見えづらく、議員同士でも互いの動きが把握しきれないのが現状です。市民にとってはなおさら分かりづらいでしょう。
館山市には伝統的に10地区があり、「おらがまち」の思いを届けようと選挙が地区別対抗戦だったと聞いたこともあります。しかし今は、すべての地区に議員がいるわけではなく、地域間で「声が届く・届かない」の格差も生じています。
このように考えると、「議員数は維持すべき」という意見にも一理あります。少数意見や地域の声を拾い上げるには、ある程度の人数が必要だからです。
しかし、市の財政が厳しく人口も減少するのに、議員だけ行財政改革の対象外というのは、とても市民の理解を得られる見解だとは思いません。
この議論は、どれほど議員が発信に注力したとしても平行線を辿ることでしょう。今回の特別委員会に参加する9人の議員も、議員定数に対してはそれぞれの意見をお持ちです。
であれば、前回書いたように、何らかの普遍妥当性のある基準を設けて、この議論を着地させる必要があるのではないかと考えます。
4回目の委員会では、今後の市民の意見やアンケートの聴取方法についても多くの意見が交わされました。8月中に、同じ人口規模で16人の議員定数に削減している富津市議会の議員から直接お話を伺う予定です。
その後、9月には何らかのアンケート活動が予定されておりますので、その時はご協力をお願いいたします。
第4回議会改革特別委員会概要
1. 日時・場所・出席者
日時: 令和7年7月24日
場所: 議長室
出席委員: 8名
東 洋平、渡辺雄二、安田邦春、長谷川秀徳、鈴木ひとみ、石井敏宏、瀬能孝夫、鈴木順子(敬称略)
2. 会議内容
2-1. 市民への情報発信・意見聴取方法
- 市民からの意見聴取については「拙速を避ける慎重意見」もある一方、委員の多くが何らかの聴取実施に賛成。
- アンケートまたはパブリックコメント形式による「意見募集」を基本案とし、質問方法や案内文、説明資料の中立性・分かりやすさを重視。
- 配布・回収手段(インターネット、新聞、SNS、紙、回収箱設置など)や高齢層・若年層いずれも取りこぼさぬよう多様な手法を検討。
- 意見募集は9月までの回収を想定し、その後審議資料とするスケジュール案が議論された。
2-2. アンケート設問・集計
- 定数および報酬について「増やす/減らす/現状維持」の選択肢で尋ね、それぞれ理由の記載を必須とする案が賛同を集めた。
- 「具体的な定数案(人数)への誘導は避ける」「市民の自由意見を重視」「定量結果(人数割合など)の取り扱いと公表方法については今後検討」と確認。
2-3. 委員会のあり方・構成論点
- 委員会構成や役割分担について、現状維持派・削減派両意見があり見解が分かれた。
- 定数・委員会数の複数シミュレーションが挙がった。
- 他市(富津市など)の議会改革事例も参考に、「今後も継続して検討課題」と位置付けられた。
2-4. 他市の事例視察
- 富津市議会の視察を8月に実施予定。定数削減等の実際を学び、館山市議会での審議に活かす計画。
2-5. 今後の日程・課題
- アンケートや意見聴取の具体的手法・文案は、委員長・副委員長が原案を作成し、次回(8月)委員会で具体化。全員協議会で報告。
- 9月中を目途に市民意見の募集実施を目指し、得た意見をもとに更なる審議を進める。