
先週25日に第11回議会報告会が開催され、私は午前の部を担当しました。15名の方にご参加いただき、開始早々から鋭いご意見やご質問が次々と飛び出し、予定時間を30分超過するほど活発な会となりました。ご参加いただいた皆さまに、あらためて深く感謝申し上げます。

議会報告会の位置付け
まず、議会報告会は全国の全ての議会で行われているわけではありません。館山市では、2014年に制定された「館山市議会基本条例」が開催の根拠となっています。
https://www.city.tateyama.chiba.jp/files/300374681.pdf
先人の尽力によって市民との対話の場が制度化されたことは、評価すべき重要な成果です。当日は、遠方の県内市から議員活動を研究する方のご参加もあり、驚きました。
印象的な質問
初めに、3つの常任委員会の報告があり、その後に今回のテーマ「あなたの議会どうあってほしい?」の意見交換会へと進みました。
たくさんの質問や要望が飛び交いましたが印象に残ったのは、
・視察に行った内容は「参考にする」とはいうが、これまで成果はあるか?
・なぜ議員定数や報酬のアンケートをとらなかったのか?
・議員に自浄作用はあるのか?
・金がない人が足りないというが、新人議員はどう考えているのか?
という厳しい質問。
議会の成果「見える化」について
「議員の成果」については、昨年6月の議会で私自身、質問しておりました。執行部は質問に対して「検討する」との答弁が多いが、その後はどうなっているのか公表しては?と聞いた質問で、議員の実績を公表してはどうかと聞きました。
回答は、難しいとのことでした。議員が提案したから実現したとは断定できないこともあります。1人の議員だけではなく複数、または民間と関わる場合もあります。個々の成果を特定しづらいことは理解できました。
しかし、常任委員会は別だと思います。全議員が3つある常任委員会のいずれかに所属しており、会派や党によらず、一定の目的のために活動しています。毎年視察にも行ってますし、何らかのテーマを設けて、対象となる住民と話し合いを重ね、策をまとめることもできるのではないでしょうか。議会改革特別委員会で提案しているところです。
また、館山市議会DX推進部会では、個々の議員の一般質問や質疑をAIで文字起こし&要約し、速報で出せないかとも検討を進めています。
個々の活動はそれぞれとして、議会として何ができるのかがテーマです。どうにか具体的な動きを「見える化」させて、少しでも議会と住民との距離を縮めていきたいと思います。
アンケート不実施の理由
次に、なぜアンケートをとらなかったのかは、細かくHPにも書いておりますが、全議員による採決で反対多数だったからです。
反対派の方々は、アンケートは議員定数削減を誘導するとのことでしたが、実際に先日、鴨川市議会で、アンケート結果に基づき定数削減の方針が決まったことが報道さました。
安易に削減してはならないという主張には一定の理があるとは思いますが、目に見えた成果なく、役所ばかり縮小して、議員だけが現状維持のままとは、さすがに通用しないと思います。(ちなみに私は国政の議員削減は慎重派です)
今回の議会改革特別委員会が、議員定数や報酬などについて客観的な結論が出せなかったとしても、議会改革の導火線にはなると思います。ただ、改革後の満足度を比較するためにも現状のアンケートをとるべきだったのではと残念です。
自浄作用の欠如
議会と市役所(執行部)は、「二元代表制」のもと、対等な立場で互いに独立し、役割分担と抑制・均衡の関係にあるとはいいますが、議会に自浄作用があるのか?という点は、基本的にはないと言っていいかと思います。
市(執行部)は議会によって監視されていますが、制度上、議員を監視する機能は限定的です。倫理条例などはありますが、日々の活動に対するフィードバックや評価制度は存在しません。議員の自己研鑽は、各人の向上心に委ねられているのが実態です。
議員は執行部には言いたいことが言えますが、館山市には「反問権」(執行部が議員に質問する権利)もなく、フェアではありません。市は財政難で予算を大幅に削減し、組織改変も行っている最中ですから、改めてこの点でも、議会改革を進めて緊張感をもった市政運営に努めるべきではないかと考えます。
「金がない、人がいない」ではなく
最後に、金がない、人がいないといっても、私はやれることはたくさんあると思っています。議員ほど、まちのために自由に働ける仕事は他に知りません。私としては、議会でのチェック機能は当然のことながら、地域の中に入ってプロジェクトを作り上げていくことが一つのあり方だと考えています。
少し前に、流山市議会の方とお話する機会がありましたが、流山市には20カ所以上もの「こども食堂」があるそうです。議員が地域住民と共同して広げていったということで、事務局機能を担う役割は絶大です。私もいくつかの事務局を担当していますが、自ら動きつつ政策立案までできることが当面の目標です。
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この他にもたくさんの質問がありましたが、質問者が納得する答えを得ることも少なく、また議員の出番も時間が足りませんでした。
参加者から「市民の声を聞く時間が短い」「運営に改善が見られない」との厳しいお声もありました。この点は真摯に受け止めます。報告資料を事前配布するなどして、質疑応答に重点を置く形式に改めるべきだと考えています。
回数増加のご提案もありました。中学校や高校に赴き、主権者教育を併せて行う自治体も存在します。幅広い世代との対話を進めるための工夫が求められています。
議会改革特別委員会の議論は今年度中には一定の結論を出す予定で今後も続きます。本日のご意見を力に変え、議会の信頼向上、市民との距離の縮小に向けて取り組んでいきたいと思います。
