館山市内各地区で開催中の学校再編の意見交換会。北条地区の回に参加しました。教育長はじめ担当課職員が直接各地区に出向き、保護者以外の地区住民とも広く意見を交換する場です。まだ3回目で、15日から他の6地区で開かれるそうなので興味ある方はぜひ。
市民の方は周知も広まっているとは思いますが、館山市は学校再編のR20年度までの計画の素案を公開しました。
(小学校は10→4)
R8年度に、船形小が那古小校舎に統合、神余小が房南小校舎に統合(小規模特認校に)、R9年度には館野小、九重小が北条小に統合、西岬小、豊房小が館山小に統合され、R20年度までで、現在10校が4校になる素案です。
(中学校3→1)
R9年度に、房南中が館山中(新校舎)に統合、R13年度に第一中が館山中に統合され、R20年度までで、現在3校が1校になる素案です。
小規模特認校は安房地区初、その他、増加する不登校児や特別な支援を要する子どもへの対策も含まれています。細かく情報が公開されていますので、疑問がある方はこのページをお読みください。
https://www.city.tateyama.chiba.jp/gakuky…/page023303.html
北条小は市内で最も児童数も多く、維持される学校(名称は未定)なので、すでに計100回以上!説明会を行っている市の対応もあり、参加者は10人弱でした。おそらく市の考えに同意していると思います。
それでも参加者からはさまざまな意見もありました。
二中、三中を統合して館山中ができたが、メリット・デメリットは?
(回答)当初、ジャージが異なる二校が統合されたが、生徒はすぐに打ち解け、教育や学習相談も先生を指名してできるようにして大きな問題なくスムーズにやってこれた。デメリットは生徒数が増えて、課外学習などで2両編成の電車に一度に乗車が難しくJRと調整が出たことなど。
1地区統廃合反対の声があるようだが、自己中心的ではないか
どこの地区も学校が残ってほしいのは当然だが、市の将来を考えて統合に賛同している。反対して残るならば、公平に欠けるので、市は毅然とした態度で計画を進めてほしい。(市の方針への賛同意見)
小規模特認校はよいと思うが、希望者が増えれば小規模にならなくなるのでは?
(回答)事前の調査では、9割以上の保護者は、大きな学校での教育を望んでいるため、予定の児童数で収まると考えている。
などです。
「学校のあり方を考える会」を長らく開催されてきて、一つのポイントは「複式学級」でした。
複式学級とは、例えば1、2年生とか、3、4年生とか2学年が混合で授業を行う学級のことをいいます。館山市内では、R5年度に10校中3校、R6年度に10校中4校に複式学級が存在します。児童が少ないためクラスが成り立たない、クラス替えもない学級です。
学校再編の説明会を開催するごとに保護者が複式学級の実態に驚いたといいます。そして、多くの方がクラス替えのできる学校を望んだのです。
2000〜2024年までに安房の他の自治体で小学校は…
南房総市16校→6校
鴨川市12校→7校
鋸南町3校→1校
と再編を進めてきたのですが、館山市は…
11校→10校(1校は児童数減少で富崎小が閉校)
と後回しにされてきました。
私は、なぜここまで遅れたのか、どのように説明していますか?と質問をしましたが、H22年に行った検討会で、再編を望む声がなかったこと、そして政治的な判断という回答がありました。
地域に学校がなくなってしまえば、子どもの声が聞こえなくなる。地区コミュニティーが崩壊するのでは、という危惧されるのは当然のことです。
一方、蓋を開けてみたら、クラス替えを望む保護者の声が圧倒的に多かったのです。運動会もろくにできない学校です。最も影響を受けたのはこの期間、複式学級を強いられた子どもたちだと思うと、居た堪れません。
R4年に「将来に向けた学校のあり方に対する基本指針」が策定され新市長が、本気で取り組み始めた学校再編。人口動態は、確度の高い推計ですから、もう何十年も前に今の状況はわかっていたのに、後回しにしてきた政治の責任は重いと思います。