
先日、館山ベイロータリークラブの定例会にて、近年増加しているトラフグと、「千葉県ふぐ連盟安房支部」設立までの経緯についてお話しする機会をいただきました。
例年冬にフグの番組や記事がたくさん出て、いすみ市のトラフグが千葉県のブランド産品にもなり、私の周りでも徐々にフグの話題が増えてきました。また、実際に扱われるお店やホテルも増えつつあります。
県もR9年から10万尾の種苗放流を開始すると力を入れてくださってますし、今回12回目の当選を果たされた浜田靖一代議士は、自民党水産総合調査会長を務められ見識深く、昨年9月の安房支部の設立総会でも、この取り組みを応援すると力強いお話を頂戴しました。
何より我々ができることは知ってもらうことから。私にできることは話すことぐらいしかありません。もしこうした機会があれば馳せ参じますので、よろしくお願いします。
今回は、その際に使用した資料をもとに、これまでの流れを改めて整理しておきたいと思います。
東京湾口に広がる「東日本最大級」の可能性
トラフグは、日本近海に広く分布する高級魚で、「白身魚の王様」とも呼ばれます。刺身(てっさ)、鍋(てっちり)、唐揚げ、白子焼きなど、多彩な料理で親しまれてきました。
かつては西日本が主な産地でしたが、近年、状況が大きく変わりつつあります。
追跡装置付きのトラフグ調査や稚魚の確認などから、東京湾口周辺が東日本最大級の産卵場になっている可能性が指摘され、本格的な調査が進められてきました。
実際、福島県ではトラフグの漁獲量が10倍以上に増加したとの報道もあり、トラフグの分布が東日本へシフトしていることが明らかになっています。
館山で積み重ねてきた動き
こうした動きを背景に、館山でも少しずつ取り組みが始まりました。
- 2023年7月:千葉県ふぐ連盟総会(幕張)で、館山沖の巨大産卵場形成が話題に
- 2023年8月:千葉県ふぐ連盟が館山市役所を表敬訪問
- 2023年9月:館山で「ふく供養感謝祭」を開催
- 2024年2月:研究者による東京湾産卵場の調査報告会を館山で実施
- 2024年6月:全国ふぐ連盟総会が館山で開催され、全国から関係者が来訪
これらの積み重ねにより、「館山=トラフグ」という認識が、関係者の間で急速に共有されていきました。
下関との交流、そして“なぜ聖地になったのか”
2024年以降は、フグの聖地・下関との交流も本格化します。
下関がフグの一大拠点となった背景には、単なる漁獲量だけでなく、
- 歴史的な規制と解禁の経緯
- 一次加工・二次加工・流通まで含めた産業構造
- 地域全体でのブランド形成
といった、長年の積み重ねがあります。
館山が今後フグを地域資源として活かす上でも、学ぶべき点の多いモデルです。
千葉県ふぐ連盟安房支部の設立へ
2025年3月、千葉県ふぐ連盟は一般社団法人化され、県内関係者の連携が一層強化されました。
そして、産卵場に最も近い地域の一つである安房地域において、支部設立の機運が高まります。
- 2025年9月28日
千葉県ふぐ連盟安房支部が正式に設立- 支部長:佐野慎一さん
- 副支部長:鈴木大輔さん、佐野聖一さん
漁業者、料理人、流通関係者が一体となり、「安全」「持続可能」「地域還元」を軸に活動していく体制が整いました。
課題は「資源管理」と「ルールづくり」
一方で、課題も明確です。
春の産卵期には、遊漁船が100隻近く集まるとも言われ、乱獲のリスクが指摘されています。
西日本では、過去に資源が枯渇した苦い経験もあります。
現在は、釣り船での一人5匹までの制限などが示されていますが、一都二県をまたぐ広域的なルールづくりが不可欠です。
フグは「食」から地域を元気にできるか
トラフグは、
- 漁業の安定収入
- 飲食・観光への波及
- 地域ブランドの形成
といった点で、大きな可能性を秘めています。
先日は安房支部が、料理教室を開催し、地域内外の県民にフグを「特別な高級魚」ではなく、身近な地域の食文化として知ってもらう取り組みも始まっています。
まずは「知ってもらう」ことから
フグは、正しく扱えば安全で、極めて魅力的な資源です。
だからこそ、資源管理と産業振興を両立させながら、地域全体で丁寧に育てていく必要があります。
館山・安房から始まったこの動きが、将来どのような形に育っていくのか。引き続き、周知活動と賛同者が増えるよう努力して、取り組みを続けていきたいと思います。
このような機会をいただいた、館山ベイロータリークラブ様ありがとうございました。