議会報告会の内容がリリースされました。10月28日(土)の午前、午後と2部制です。私は午後の部におります。お時間ある方はぜひご参加ください。
今回、意見交換のテーマが「公共施設の再編」ということで、平成29年(令和4年見直し)の「公共施設等総合管理計画」と同28年のアンケート調査が拠り所となります。
市のホームページで公開されていますので、ぜひ読んでみてください。少し前の調査で今と多少ずれはあると思いますが、個人的には分かりやすかったです。
https://www.city.tateyama.chiba.jp/files/300372352.pdf
館山市の公共施設に関する市民アンケート結果
https://www.city.tateyama.chiba.jp/files/300322687.pdf
なぜ公共施設が問題になっているかというと、その多くが昭和40〜50年代に建設されたからです。一気に更新を迎えるのが人口減少、財政難の時代とはなんとも皮肉なことですね…。
とはいえ、この計画を見ると、今年方向性が示された温水プールや老人福祉センターも含め、突然起きたことではないことが分かります。何を残して、何を削減するのか、または総合的に整備するのか、苦しい決断が迫られます。
アンケートでは、公共施設を過去1年で数回、または一度も利用していない人が75%と利用者が少なく、どのように維持すべきかという点では、利用者が利用料を負担すべきと捉えている人が多いことが分かります。
一方、25%は利用しているわけで、突然場所がなくなったり、利用料が極端に上がることは避けねばなりません。また、施設の利便性や利用率を上げる努力も必要ですし、公共施設うんぬんの前にその他の経費を削減しろ、という厳しい意見も寄せられています。
もうすでに本格化している再編ですが、少数派の声にどの程度応えられるのか、または代案を出していけるのかが問われると思います。
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余談ですが、内田樹さんが編者の『人口減少社会の未来学』の序論に、今の人口減少が1980年代には分かっていたことが書かれています。理由は簡単で、95%の女性が20〜39歳に出産するからです。
予測できていたのに国も学者もメディアも一切そこに触れなかった。いつか回復すると淡い期待で見て見ぬふりをしていたのでしょうか。この理由について内田さんは、日本人は破局的な事態に備える習慣が極めて低いことを指摘しています。
高い確率で破局的事態が到来すると分かっていても、初めに気づいた人はその責任を問われるので究明せず、いっそ破局まで行った方が個人の責任が免ぜられる分だけ「得」と思考停止に陥る傾向が高いということ。太平洋戦争、バブル崩壊も同様の原理と説きます。なんだか、最近のジャニーズの一件も近いものを感じます。
公共施設の件も、実際にはもっと早く取り掛かることができれば、長寿命化対策を施すなどして、更新の時期を計画的にずらすことができたかもしれません。
もはや後の祭りですが、人口減少の問題にはそんな背景もあることを付け加えます。すでに世の中が変わってますが、今後はさらにデータに基づく冷静な分析が問われます。