これなんという食べ物かご存じですか?その名も、ドラゴンフルーツです。竜のうろこのような見た目から名付けられたそう。
このドラゴンフルーツの可能性に長年取り組まれているのが、館山市在住の植物の専門家である小川恭弘さん。南房パラダイス(現アロハガーデン)や館山ファミリーパーク(現RECAMP館山)で植物を担当して、同園が閉園して後もNHKの番組、各種雑誌に出演するなど活躍されています。
本日は、本業のイチゴ園のかたわら、パッションフルーツやドラゴンフルーツ、パイナップルなど、数々の品種を栽培しているベテラン農家、鈴木光雄さん(豊房地区)の農園を小川さんと訪れました。
館山市は台湾との交流が盛んで、その一環の農業交流で台湾由来のドラゴンフルーツを栽培している鈴木さん。一般的な品種より台湾産は比較的甘味が高いそうです。ドラゴンフルーツはそのグロテスクな容姿にしては味が薄いとも言われますが、成分は「スーパーフード」と呼ばれるほど栄養価が高く、海外はじめ国内でも需要が高まっているようです。
私としては、ドラゴンといえば、安房の随所に残る後藤義光の「龍」、そして「南総里見八犬伝」モチーフの「ドラゴンボール」でまちおこし!?なんて思ってしまうこともあるんですが、農業振興はそう簡単なものではありませんね。。
実は、先週も鈴木さんのもとを訪ねていました。日本農業の「Xデー」が叫ばれていますが、これは脅しではなく、統計からも確度の高いことです。鈴木さんも、私が出会った10年前から警鐘を伝えてくださっていました。
しかし、もはや何年の猶予もなく、最後の砦を守ってきた高齢農家さんが次々とお辞めになる可能性が現実味を帯びています。館山に限ったことではありません。
農業が衰退すると、まずは耕作放棄地が増加。農家さんがボランティアで守ってきた多くの共同作業がなくなり、災害に関わる環境機能および景観が著しく損なわれます。そして、地元産が手薄になると、観光業などにも影響は波及します。農業だけの問題ではないのです。
地産地消(=地域内経済循環)は地域活性化の柱!しかしいざやれることを考えるとなんと無力なことか…。コストを下げる集落営農や法人化は一つの手段だと思いますが、個々の農家さんの習性をまとめ、通年の計画を立てるのは容易なことではありません。
心が折れそうになることですが、、それでも関東随一の温暖、里海、里山に恵まれた館山でやれることはまだあるはず。一方、県北や茨城県、または北海道のようにまとまった農地が少ない地域なので、大規模ではなく尖った品目、栽培方法で高付加価値の農業を推し進めるべきという方向性は見えていると思います。
本日話題に上がったことですが、台湾では農業に税金をかけていないとか?ちょっと検索しただけでは裏が取れませんが、もし本当だとするとびっくり。農業のXデーは、食料自給率(国防)にとってもそれほどのインパクトがあると思うのですが、国によってスタンスはだいぶ違うようですね。