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第5、6回議会改革特別委員会

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富津市議会を視察

8月12日午前中、館山市議会改革特別委員会による富津市議会の視察がありました。

富津市は平成27年に議員定数を18人から16人へ削減しており、県内でも最少水準。人口規模も館山市と近いことから、実際の経緯や状況を直接伺うことが目的でした。

削減の背景には、当時「財政破綻の危機」という報道が大きく取り上げられ、市民からの強い圧力があったそうです。もともと富津市ではその4年前に22人から18人へ削減しており、「当分減らすことはない」と思われていた中での再削減。外的要因の強さを実感しました。

これまで館山市でも定数削減は、飲酒運転での不祥事やリーマンショックなど、外部からの出来事がきっかけで行われてきました。しかし今回、私たちはそうした外圧がない中で、内部から議員定数をどうするか議論しています。これは珍しいことだと感じましたし、むしろ自分たちで自立的に考える良い機会だと思います。

一方で、「削減すべき」という意見と「削減すべきでない」という意見の間には、高い壁があります。

削減に反対する側は、市民の声を吸い上げる役割や議員としての職責を守るためには定数維持が必要だと主張します。市民は議員の仕事を詳しく知ることは難しく、「多すぎるのでは」と思われるのは当然。しかし、その声に引っ張られすぎて削減すれば、結果的に市民が不利益を被るという考え方です。

ただ、私は「議員の仕事は市民には分からない」と諦めるべきではないと思っています。議員が何をしているかをあらゆる方法で発信し、市民との距離を縮める努力をしなければ、市政への関心は高まりませんし、まちを良くしようという人も増えません。

定数や報酬の議論は必要ですが、そればかりに時間を取られるのではなく、議会改革そのものにもっと力を注ぐべきです。いつまでも結論を先送りするのではなく、「今後の議員定数はこう考える」という一定の方向性を示す必要があります。

館山市議会は16年間18人のまま。この間も、議員定数削減の議論はずっとくすぶっています。だからこそ、市民アンケートや報酬・仕事内容の公開などを通して、自立した判断を下せるようにすべきです。そうでなければ、市民への説明責任も果たせません。

今回の視察(第5回特別委員会)とその後の第6回特別委員会では、多くの議論がありました。次の全員協議会では全議員でアンケート内容を検討する予定です。もしアンケートが出ることになれば、ぜひ市民のみなさんにもご協力いただきたいと思っています。

富津市議会の皆様には、ご多様の中対応していただき、誠にありがとうございました!

第6回議会改革特別委員会概要

日時:令和7年8月12日(火)午前13時
場所:議長室
出席委員:9名
東 洋平、渡辺雄二、安田邦春、長谷川秀徳、鈴木ひとみ、石井敏宏、瀬能孝夫、石井信重、鈴木順子、
欠席委員:なし
議長:鈴木正一 副議長:倉田孝浩
出席事務局職員
事務局長:宮澤知幸、書記:菅田茂樹

会議内容(※当日は午前中に富津市議会視察を行い、その後午後に委員会を開催)

議事1 富津市議会視察を終えて

  • 富津市議会の議員定数削減(22→18→16人)とその背景、運営上の変化について詳細な説明を受けた。
  • 市民からの批判は22→18人はそれほどなかったが、「破綻報道」を背景に、財政危機に注目が集まり、18→16人は半ば強制的に削減となったため、今の館山市議会改革特別委員会とは発端が異なる。
  • 18→16人になって運営負担は増したが、なんとかやれている点を強調する意見も。
  • 議員削減した際、報酬を上げたが2割カットでスタートした手法に注目した声も。
  • 「数ありき」の削減ではなく、十分な議論と検証を経る必要性が強調され、定数や報酬の議論は市民理解・議会活動の質向上を前提とすべきとの意見が多数出た。
  • 議員報酬の適正額や議員活動の負担、子育て世代の議員確保の難しさなど、報酬水準が議員のなり手不足に直結する現状も共有された。
  • 市民の声の反映方法を巡り、無作為抽出によるアンケート実施の是非や、意見を聞きすぎることの弊害に関する意見もあった。
  • 視察全体を通じて、「議会は何をすべきか」という根本的な視点から改革を進めるべきという共通認識が確認された。

議事2 アンケート案について

  • 正副委員長および事務局が第4回委員会での意見を踏まえ、アンケートたたき台を作成し配布。
  • 実施方法は、①LoGoフォームによるWeb回答(市HPやSNSからアクセス可能)と、②市役所・コミセンに設置する紙回答+回収箱の併用方式を提案。
  • 広報は、市HPトップ画面のスライド画像と最新情報欄への掲載、LINE・X・Facebookでの発信、QRコード付与、新聞記事掲載、市広報紙掲載(スケジュールによる)を想定。
  • 回答者には理由記載を必須とし、Web版では入力必須設定を適用する。
  • 添付資料として、①館山市議会の定数・報酬推移表、②県内23市および近隣10万人未満市の議会比較表、③委員会構成のメリット・デメリット一覧を提示。
  • メリット、デメリットに関しては文量を揃えるべきとの意見を反映し、類似したデメリットの項目を削除。
  • 設問に議員定数や報酬の具体額を明記するかについては意見が分かれた。数字だけをみて偏った意見になるという懸念から省く案と、資料に記載があるため明記する案の双方があり、引き続き検討。
  • 回答対象は「市内在住・在勤・在学者」とし、氏名記入は求めない方向。
  • アンケート結果の公表可否についても意見が分かれ、参考資料として委員会内で活用する案と、市民へ公開する案が提示された。

議事3 その他

  • アンケート案の最終調整は次回委員会で行い、全員協議会へ報告後に実施予定。
  • 12月に一定の結論を出すことを逆算するとアンケート期間、収集、検討期間を踏まえてあまり時間がないことを確認。
  • 委員会としては、丁寧な議論をもとに市民に説明責任を果たせる改革案の策定を目指す方針を改めて確認した。