
昨日、今日と香川県三豊市に視察に行っておりました。インプット過多でこれからじっくり整理しますが、とにかくすごかった。企業や個人が力を合わせて地域の「あったらいいな」を実現。5年間で立ち上がったプロジェクトはなんと80以上!どうなっているのだ?
視察も有料のためネタバレは避けますが、2023年のこの記事を読めば取り組みの概要がわかります。
https://suumo.jp/journal/2023/12/25/199653
浦島太郎の伝説が残る島の目の前にそびえるホテル「URASHIMA VILLAGE」を共同出資で設立。地域の人材育成や生涯学習を提供する「暮らしの大学」や、空き家をリノベして再販する「くらしの不動産」、移住体験を活用した農業経営などたくさんの事業が組み立てられていきます。


埋め立てを住民が阻止し、清掃活動を続ける「父母ヶ浜」は、ウユニ塩湖のような景色を映し出し、年間5000人から今や50万人が訪れる地に。



個人的に特出しすれば、本日お昼を食べた、「おむすび座」にはノックアウトでした。



コンセプトは、「孤育て」を「Co育て」に。産前産後の大変な時期、妊産婦が子どもを連れて友だちとゆっくり食事ができるスペースが生まれました。知人の育児で起きた悲しい出来事を胸に、こんな場所があったらとつくった建築家の思い。この日も子連れでにぎわっていましたし、おにぎり、料理もおいしかった。


記事にも出てきますが、取り組み全体をドライブさせているのは「地域ローカルファンド」の仕組みだと感じました。まだ理解が追い付いてませんが、いわゆるクラウドファンディングの発展版だと思います。企業、個人が出資することで、一企業のリスクを軽減して、支援や次のプロジェクトにつなげていきます。


ここに行政の「ぎょ」の字も登場しないのが興味深いところ。敬遠しているわけでもなく、新しいことに行政は乗りづらいからまずは形を見せて、応援できることはしてもらっているという関係性です。
「まちづくりは行政がやるものだ」、というある種の「思い込み」を根底から覆していました。そして、まちづくりをしよう!という壮大なことではなく、「あったらいいな」という個人の思いが結実していました。


と書いてみて、民業でできれば、何も行政が関与しなくてもいいのでは?いや、それは違うのではないか。
三豊市の事例は仕組をつくるマネジャーの力量や集まる方々の信頼が抜群です。全国には、やはり千載一遇の飛びぬけた出会いが育まれるのかもしれません。これは容易に真似できるものではないと思います。

むしろ、真似できないからこそ、ネットや大資本とは縁遠い、その地域独特の価値の高い取り組み、シビックプライドに育っていると感じます。
では行政はといえば、別のPPP、PFIの講座でお聞きした中には、「地域の維持に必要な事業に対して地域のプレイヤーをいかに見つけ、いかに多くのプロジェクトを立ち上げるかが鍵」というお話を思い起こします。

事務はいずれAIやDXに置き換われるかもしれません。しかし、人やコミュニティと接するマネジャーやコンサル役は誰がやるのか。「公」の仕事は何かを問う時代に入りました。すでにやっている方もいますが、属人的なことになっています。
特に地方では人口が急速に減るフェーズなので、従来の民業さえ容易なことでありません。行政の変化と同時に、共助、公助の領域に関してはトライアンドエラーでトライは尊いというマインドを地域で醸成していくことが、結果的にまちの経済、暮らしを守るために大切なことではないか。そんなことを学ばせていただいた視察でした。
視察に混ぜていただいた関係者の皆様、そしてアテンドいただいた瀬戸内ワークスさん、誠にありがとうございました。
最後に、私はうどんを食べたのか?はい、食べました。三好うどんさん、美味しかったです😁
