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下関視察レポート③

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下関水産大学校の髙橋教授(左から2番目)と

南風泊市場の周辺は、仲卸業者の加工場で数多く広がり、巨大フグ産業を肌で感じました。市場で仕入れたフグを、即座に加工場に移動します。この鮮度と技術を駆使した生産、加工システムが日本に冠たるフグの聖地を支えていることが分かりました。

畑水産→藤フーズ→山賀の3件の加工場を実際に拝見。

畑水産では、最初に10キロ超のヌシのようなトラフグを見てびっくり。セリ後に即加工場内の水槽に移して、2、3日ストレスを緩和するそうです。

注文が入ればそのまま隣の部屋で加工して、すぐさま出荷。また毒のある部位を廃棄する専用の鉄の箱があり、これを専門の業者が回収しにくる仕組みも拝見しました。

この後は藤フーズとクジラ加工場の山賀には私は同行できませんので、後で様子を伺いました。

有難いことに、NHK山口局に当日の様子を取り上げていただきました!その日の18時すぎに放送されまして、山口県出身の友人から「見たよー」と連絡がありました。本場の地で活動を知っていただけてありがたい限りですね。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20250218/4060022450.html

私はまたも小野さんにご案内いただき、佐野聖一議員と千葉県ふぐ連盟副理事長の朝倉康明さんと一緒に、下関水産大学校の髙橋洋教授の研究室を訪ねたのでした。

髙橋教授は、館山・南房総ですでに2度講演をお聞きしており、そのご縁も全国、千葉県ふぐ連盟。私がこの活動に参画させていただいたのも2023年に福島県で開かれた全国ふぐ連盟の総会で、髙橋教授が「館山湾沖にトラフグの日本最大級の産卵場が形成されている可能性を発表した」ことからでした。

今回もたくさんのことをご教示いただきましたが、大きなニュースとしては、髙橋教授がこれから東京湾のトラフグ資源量の調査をされるということ。

今まさにトラフグ釣果に沸く東京湾ですが、資源は有限です。産卵場で一斉に親フグが漁獲されてしまっては、せっかく生まれた貴重な資源も枯渇してしまう可能性があります。

髙橋教授は、「東京湾のトラフグが資源管理の成功事例になってほしい」と思いを語っていました。実際には持続可能な資源管理を達成した例は多くないそうです。

DNA技術を活用した研究方法で2年間取り組むとのこと。産業振興と並行して資源管理には国、だけでなく、近隣の自治体には何より力を入れていただきたいです。資源がなくなってしまっては元の木阿弥。

そのためには、資源量の把握が大前提です。年間どの程度の漁獲が持続可能なのかデータがなければ、漁業者に対して説得力がありません。髙橋教授の研究がいかに重要なことか、思い知りました。

この日は睡眠も足りていないので午後は自由行動。私も少し仮眠をして、フグの料亭「関とら本店」に向かったのでした。

下関唐戸魚市場の郷田理事長、副議長の安岡さん、そして視察全体でお世話になった青木さんに迎えていただきました。

初のトラフグ料理のお味は・・・。よく写真で見るフグ刺し「てっさ」も堪能しました。皮も鍋も白子酒も。特に白子の口に広がる美味といったら表現しがたいものでした。

青木さんは「本物にはわけがある」と語っていました。そして、下関でもさまざまな変革があったそう。「ふるさと納税」が10倍に伸びた話など業界の話、次代を担う若者が活躍出来る環境をつくっていかねばならないという熱い思い。青木さんからたくさんのことを学びました。