今月の「公民連携ゼミ館山」の課題図書は、元兵庫県明石市長の泉房穂さんによる『社会の変え方』でした。子育て支援、福祉に力を入れて、10年連続人口増加を導いた明石市。その背景にはどんな施策や泉さんの思いがあったのかが、よく分かる著作でした。
とにかく強烈で、特に前半は障害のある弟や家族との幼少期の経験、貧しい家庭から東大合格、恩師との出会いと衝撃な別れなど、涙なくして読めません。ほとんどドラマに近い人生です。
次々と全国初の施策を展開しますが、独自に生み出したものはほぼなく、他地域、海外の事例を研究して応用しただけといいます。
一方で何かを変える時は必ず反作用があり、殺害予告があったり生き物の死骸や汚物が玄関先に置かれたりと、目を背けたくなる場面も。
それでもやり遂げたのは、「冷たい社会への復讐」というものすごくパーソナルな強い意志、信念に支えられていたといえます。
本を読んでいないと伝わらないことも多いかと思いますが、興味ある方はご一読ください。
