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引きこもり勉強会に参加

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NPO法人あわの風の加藤峰生理事長

コミセンで昨日開かれた「南房総ひきこもり支援協議会」による勉強会に参加しました。福祉の現場で支援に当たる異分野の約30人が集まり、事例をもとにグループワークで支援の方法や課題を語り合いました。

7人単位で各分野の専門家がグループワーク

(事例要旨)
精神疾患や被害妄想のある40代女性。離婚歴があり両親、長男と4人暮らし。元気をなくした父、認知症の母は老老介護状態、家計を支えているのは月々の年金20万円。長男の給食費も払えないことがあり、そのことが原因で不登校気味に。長男は中3で受験期ですが、祖父母の介護にあたるいわゆるヤングケアラー。

私の席でご一緒したのは、地域包括支援センターの社会福祉士と保健師、臨床心理士、ケアプランセンターの管理者、多機能型支援事業所の管理者でした。

いわゆる引きこもりといっても、本人だけでなく、家族全体に課題があり、個別の支援では根本的な解決にならないことは珍しくないといいます。

今回は個々に、「本人」「家族」の課題や自身が支援できることを書き出し、その後、グループワークで支援できること、支援できないことを語らいました。支援できないことを議題としたのは、そこが地域に足りないことという視点が興味深かったです。

そもそもここに集まる方々が共通の課題意識をもっているのが、分野を超えて相談できる場をつくること、各機関が連携することの難しさ。ワークを通して、それぞれの参加者が抱く課題も次々と発言されていました。

グループごとに行われた発表

会の発起人であるNPO法人あわの風の加藤峰生理事長は、「与えられた守備範囲だけでは表面的にやっているようで、地域の課題を解決することは難しい。日常から人間関係を構築することが重要」などとあいさつ。

今回の事例のように、複合的な課題には分野横断的な支援が必要です。ただ、福祉は構造も財源も複雑(例えば介護は介護保険があるが障害はなく財源が違う)で、誰がどうまとめるのかが、今後の最大の課題だと感じます。

千葉県は独自に、子ども、障害者、高齢者等、誰もがありのままに、その人らしく地域で暮らすことができる地域社会を実現するための「中核支援センター」を各保健所エリアに設置しており、安房では館山市に「ひだまり」があります。センターの存在は大変貴重です。

有志で運営に関わるNPO法人夕なぎの富山潤一郎さん(右)と

私ができることは、まずはこの仕組みを正確に把握すること。そして、被支援者はもとより、現場で支援に向き合われている方々が働きやすい環境がどのように構築できるかをこれからも一緒に考えていきたいと思います。