12月議会が11月30日〜12月25日の26日間で開会します。今回も一般質問を通告しましたので、内容を事前にお知らせしたいと思います。
他の議員も含めた通告内容は以下に公開されています。興味ある質問もたくさんあります。
https://www.city.tateyama.chiba.jp/gikai/page100321.html
私の質問内容は以下となります。
一 脱炭素と地域活性化について
1.ゼロカーボンシティ宣言後の取組や効果について伺います。
2.J(ブルー)クレジットの活用について伺います。
3.環境負荷の少ない農業の推進や地産地消について伺います。
二 沖ノ島環境保全協力金について
1.協力金の実績や使い道について伺います。
2.協力金という在り方の汎用性や環境保全の展望を伺います。
一つ目は、館山市も2021年に表明した「ゼロカーボンシティ宣言」について。市は、3つの施策を重点において脱炭素を進めているようですが、その内容をあらためてお聞きします。
https://www.city.tateyama.chiba.jp/kankyou/page100165.html
ただ、この脱炭素社会、例えばごみの減量でも、再生エネルギー普及でも、財政難が続く時代に市の財源から捻出するには限界があると思いませんか?
だから宣言はしても、どこか他人事のような感覚があると思うのです。お財布が厳しいのに、社会貢献している余裕はないのが現状です。
そこで、今回は、脱炭素の発想を逆転させる「Jクレジット」について質問することとしました。館山市議会で登場するのはおそらく初のワードとなります。
Jクレジットに関する国のページはこちら↓
https://japancredit.go.jp/about/outline/
端的に説明すると、例えばとある企業や団体(対象制限なし)が、なんらかの手法で、従来よりCO2を削減した、または森林や海の資源で吸収した場合、その量を国がクレジットとして認証する制度です。
認証されたクレジットは、売買が可能です。価格は現状相対で取引されるようです。売り手はいても、なぜ買い手がいるのか?
これはご存じ、気候変動が急速に進んで危機的な未来が身近に実感される中、各国、大企業が削減目標を立てているからです。
仮に、とある大企業が、義務的な削減量をクリアできないとします。事業内容などでなかなか削減が進まない企業もありますね。その場合、このクレジットを購入することで、その埋め合わせができるのです。ここがポイントです。これをカーボン・オフセットといいます。
2015年のパリ協定以降、産業革命から気温上昇を1・5℃に抑えなければ、気候変動は過酷さを増し、不可逆的、つまり元の環境に戻れない状況が危機的に提示されています。しかし、先月11月20日の国連環境計画の報告書によると、削減目標から大幅な隔たりがあり、さらなる推進が問われることになりました。
例えばあのアップルという大企業は、2030年までに自社製品とサプライチェーンの全てをカーボンニュートラルにすると宣言しています。こうした動きが加速すると、関連企業や競合企業が芋づる式に目標の達成が問われ、企業価値とさらに連動していくと考えられます。
長くなりましたが、こうした動きの中で注目すべき制度が、Jクレジットだと考えられます。CO2の削減や吸収に適しているのは、明らかに都会よりも地方です。そして、自然資源に恵まれた館山市は可能性が大きい。
従来やってきた削減をクレジット認証できるかもしれませんし、新たにゼロカーボンシティを進める施策があれば、ぜひともクレジットの活用を検討していただきたいという思いです。まだまだ成長半ばですが、脱炭素は大きな市場に変化し、ここで稼ぐ自治体が増えてくると思われます。
私自身、このJクレジットの事務局に問い合わせてみました。現在、認証されたプロジェクトは9月現在1022事業ですが、自治体の問い合わせ、申請は急速に増えてきているといいます。
何が最も大きなハードルなのかを質問すると、「データの取得」です。つまり、再生エネルギーにせよ森林にせよ、削減量、吸収量の試算するのは専門家でないと困難でしょう。これに数十万〜100万円超の経費がかかります。現状は、国から7割補助があるようです。
このJクレジットについて、市の見解を伺います。農業部門でもクレジットの発行は推進されております。
実は別件でこの期間、国の「オーガニック・ビレッジ宣言」についても担当課と民間の会合にオブザーバーで参加しておりました。また、市内の民間団体による、「フェアトレードタウン」の認定に向けた動きにも着目しております。
それぞれ方法論やコンセプトは多少異なりますが、大きな方向性は同じで、互いに関連し合っています。市としてマンパワーも財源も少ないのは承知していますが、こうした宣言や認定という制度的な部分を市が担い、民間はその内容を担って活躍する、こうした関係性を形成することが重要だと考えており、宣言や認定についても質問の中で触れられたらと思います。
オーガニック・ビレッジ宣言
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/organic_village.html
フェアトレードタウン
https://www.fairtrade-jp.org/get_involved/fairtrade.php
さて、長くなりましたが、2点目の質問を簡潔にまとめます。
ご存じのとおり、館山市最大級の観光名所となった沖ノ島では、「沖ノ島環境保全協力金」という仕組みで、協力金を募る活動が行われており、今夏は、過去最多の1306万円に上りました。
これまで「北条海岸の駐車場を有料化してほしい」などと、幾多の要望をみても、県管轄の土地であることや、海岸法や港湾法に縛られ進展がみられない中、「協力金」でこれほど多額の支援が得られたことは画期的なことだと思います。
協力金の使途については、下記に令和4年度実績が公開されています。
https://www.city.tateyama.chiba.jp/shoukan/page100267.html
主にトイレや警備といったそもそも市が負担する経費に協力金が充てられていることから、有意義な資金であることは明らかです。
館山市の資源といえば、誰がどうみても、まずは「海」です。
海で稼がなければ、まちの持続は不可能だといっても過言ではありません。その一つの手法として、駐車料金というあり方が議論されてきたわけですが、それが無理なら「協力金」でという発想の転換があったと考えられます。
今回は、環境保全の使途をお聞きするのと、この協力金がどのように誕生し、他の海岸に応用が可能なのかをお聞きしたと思います。
その上で、沖ノ島に限っては、通年の「拠点整備」を検討してもよいのではと考えております。例えば、「渚の交番」という日本財団の支援制度もあります。
https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/policeoffice
一の項目と関連しますが、今やブルーカーボンやグリーンカーボンというのが、単なる環境活動ではなく、大きな市場となりつつあります。館山市は、都市部からもほど近く、自然資源に恵まれ、また2019年の台風災害から復興してきた場でもあります。
自然を守る活動で、関係人口を育み、市の魅力を最大限アピールすることは重要な視点です。
昨年、全国アマモサミットが館山市で開催されました。
https://amamosummit2022tateyama.com/
14回目ということで、全国14ヶ所の地に選ばれたことは大きなレガシーです。その他の開催地は錚々たる地で、取り組みが一層進んでいます。
こうした実績を積み上げて、さらに民間活動を呼び込み、「観光」という概念を拡張させることが求められると思います。
私の質問は、13日のトップバッター(午前10時〜)です。
YouTubeでも生中継されますので、よろしくお願いいたします。
https://www.city.tateyama.chiba.jp/gikai/page100120.html
そして、この質問も私一人で発想したものではありません。ご協力いただいた方々にこの場をお借りして御礼申し上げます。