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高齢者の移動支援「富崎ぐるっとバス」

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本日午前中は、館山市富崎地区で毎週土曜日に行われている高齢者の移動支援「富崎ぐるっとバス」を見学した後、運営に関わる方々にお話を聞く機会を頂戴しました。

芝浦工業大学大学院で建築学を専攻する学生さんが、富崎地区と中心市街地の公共交通を修士論文のテーマに取り上げているとお聞きして、市の企画課を中心に研究をサポートしている一環です。

ぐるっとバスを簡単に説明すると、カーシェアの車両を利用して、決められたルート・時間で地域を回って高齢者をピックアップし、近くのスーパーなどの目的地で降ろしてを数回。買い物など用事が済むと再度地域を回って家の近くまで送り届けるという仕組みです。

利用者は足腰が悪いが介護にかかるほどではない元気な高齢者の方々。この日は企画課の職員が運転手で学生さんが補助員を務め、直接利用者のお話もお聞きしました。私は自家用車で追いかけていたのですが、乗降地で声をかけると、皆さん口々に「とても助かっているのよ」と大きな袋片手に笑顔で話していました。

その後に話をお聞きしたのは、館山市で初の集落支援員(総務省の制度)を委嘱された鈴木隆史さん。鈴木正一市議や以前に富崎地区で生活支援コーディネーターを務めていた方も同席されました。

富崎地区は令和元年の台風で大きな被害があった地域で、災害後の移転もあって高齢化率は64%を超えたといいます。公共交通で市街地に行くどころか、近くのスーパーにさえ歩いていくのが困難な高齢者が多くなっています。その状況で始まったのが、このぐるっとバスでした。

以前は、自分が持てるだけの少ない量の買い物しかできなかった高齢者が、ぐるっとバスのおかげで必要な買い物ができるようになり、もちろん利用者の満足度は高いです。

一方、カーシェアはその他の時間で観光客が利用する算段で民間企業が設置協力した車両ですが、思うように一般の利用率が伸びていないことや、運転手の人手不足なども課題となっているようです。

今後、高齢者が増加し続けるのに対し財政難、人材不足というしわよせは至る所に現れてくるわけですが、命にかかわる問題は最優先。富崎地区だけでなく、どの地区もそれぞれの環境で困難を抱えていますので私自身、状況を把握していきたいと思います。