気付けばもう明日から11月!先日23日に開かれた今年度2回目の総合計画審議会についてレポートします。
何度か書いていますが、総合計画とは、市の最上位の、そして唯一分野を横断して策定する計画です。10年を5年で分け、前期・後期と基本計画があり、各々計画に従って、事務事業を遂行していると思われます(実際には分からない)。
現行の計画はR7年度までで、R8年から新総合計画が始まるため、6.7年の2か年が策定期間です。
気になる方はぜひ、今の総合計画をご覧ください。
https://www.city.tateyama.chiba.jp/files/300307605.pdf
・内容が総花的で実効性がない
・基本計画の下に実施計画がなく何をやっているのかわからない
・他の個別計画と連動がない
など他にもたくさんあるのですが、今年に入って毎回議会で質問し、かなり丁寧な回答をいただけていると思っています。
まだ2回目の審議会ですが、
・実施計画を作成し、ローリング方式で毎年改善する
・現行計画の項目・内容を統合し真に伝えるべき内容に絞り込む
ことが示されました。大きな進展であると思います。
9月から始まった市民アンケートは前回3000人でしたが、審議会で要望した結果4000人に対して無作為抽出で発送され、1549人から回答があったようです。市も本気度を示してくださっていると思いますし、ご協力いただいた方々ありがとうございました。
今回の審議会も委員から活発な意見が飛び交いました。行政には市民と共につくる「審議会」がたくさん存在します。下記に日程も公表されています。
https://www.city.tateyama.chiba.jp/soumu/page003567.html
しかし、こうした会合は関係機関の充て職の方々の集まりであることが多く、意見も特にないまま「シャンシャン」と終わるのが通例です。
または計画素案策定後に、パブリックコメントという手法も導入されていますが、数人のコメントに留まっていることが多い。
それもそのはず。住民は何かと忙しいのです。突然意見を求められても困ってしまうでしょう。仮に意見があっても身の回りの陳情になってしまいます。
今回、10月26日と11月4日に総合計画のための「地区懇談会」が開かれる案内は前々回にシェアしましたが、やはり集まりはよくないそうです。「地域の未来を考えよう」と言われても、本質的なことを聞き取るのは至難の業です。
ここで、国交省審議会の資料(2019年)をご紹介します。
https://www.mlit.go.jp/common/001255459.pdf
ここに出てくる「住民参加の梯子」というのがとても興味深いです。元はアメリカの社会学者シェンリー・アーンスタインさんが提示した図です。
例えば、「行政サイドの視点」を見ると・・・
「④相談:計画に対する住民の意見を求めることだが、意見が計画に反映されるわけではなく、双方向の対話があったことを既成事実化するにとどまる。」
とあります。④か⑤が、今の審議会や計画策定プロセスのあり方だと感じます。総合計画審議会は是々非々な会になっていると信じますが…
一方、「住民サイドの視点」こそ重要です。
単にお知らせしているだけでは、絵に描いた餅。積極的に場を設けなければ「市民協働」には至らないと感じます。(せっかく館山市には市民協働条例があるのに!)
今回の衆院選でも見て取れますが、縮小する社会は何かとギスギスしてきます。館山市議会も9月議会の請願で9:8に分かれるなど意見が割れるような事案が出てきました。
今後の社会を考えると、何より市民の税金で運営する行政は、「説明責任」が問われると思います。できれば「縮小」ではなく「縮充」でありたい。
しかし現行の行政と市民の距離感では無理があります。行政は、より多くの情報を分かりやすく公開する努力が必要ですし、市民も感覚ではなく、できる限り行政について知る努力が必要で、双方の歩み寄り以外に答えはありません。
今まさに残された1期2年半で、このことに舵を切ろうと考え、先進自治体の調査に動き始めました。私なりに公開しながら前に進んでいこうと思います。