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移民がつなぐ太平洋まるごと博物館

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最後に行われた登壇者の語りの場

本日は、南総文化ホールで開催された「移民がつなぐ太平洋まるごと博物館~紀州と房州とカリフォルニア~」と題したシンポジウムを拝聴しました。

会場には県外・地域外からも多くの来場者があり、このテーマへの関心の高さを強く感じました。

19世紀後半、安房郡根本村(現・南房総市白浜町根本)で干アワビ製造を営む家に生まれた小谷源之助と弟の小谷仲治郎。

俳優のような小谷源之助(右)と仲治郎(左)兄弟

兄弟がカリフォルニア州モントレーへ持ち込んだアワビ事業は、現地の資産家A・M・アーレンや、アワビ料理を米国に広めた「アワビ王」ポップ・アーネストらとの出会いによって大きく花開きます。

やがてこの事業は、カリフォルニア州のアワビ市場の75%を占めるほどの一大産業へと発展しました。

紀州と房州がつながった実行委員会

しかし、その輝かしい歴史は戦争によって断絶してしまいます。

この忘れられかけていた物語を掘り起こし、現代に甦らせてきたのが、館山市の在野の研究者である大場俊雄さん、そしてNPO法人安房文化遺産フォーラムの皆さんです。

大場先生の元気なお姿が拝見できただけでも感動的な1日でした

今回の取り組みは、そうした長年の研究が実を結び、文化庁の「令和7年度 Innovate MUSEUM事業」として採択され、和歌山県立近代美術館などと実行委員会を組んで進められてきた壮大なプロジェクトとのことでした。

大場先生には、かつて「無印良品ローカルニッポン」や房日新聞記者時代にも取材をさせていただきましたし、安房文化遺産フォーラムの活動は、これまで数え切れないほど記事として追いかけてきました。

NPO法人共同代表の愛沢先生のお話。この方と池田共同代表のお二人なくして、地域の歴史がこれほど日の目を見ることはなかったでしょう

和歌山県立近代美術館の学芸員の方が「安房文化遺産フォーラムとつながり、歴史研究の深さ、達人の多さに衝撃を受けた」と語られていましたが、まさにその通りだと思います。

これほど地元の歴史を掘り下げ、丹念で緻密な研究を積み重ねている団体は、全国有数だと思います。

さらにこのアワビ事業の物語は、千倉出身のハリウッドスター早川雪洲や、館山出身の資生堂の創業者、福原有信といった人物にも広がっていきます。

まるで一本の映画を観ているかのような、壮大でドラマチックな世界です。こうした歴史遺産を丹念に掘り起こし、今に伝えてくださる方々に、改めて深い感謝の念を抱きました。

そしてこの物語を、地域の誇りとして、次の世代へと受け継いでいかなければならない、そんな思いを新たにした一日でした。

展示会は、15日まで南総文化ホールギャラリーで開かれています。展示の仕方も、とっても素晴らしいので、ぜひ一度足を運んでみてください。

参考までに以前書かせていただいた記事が今もサイトに載っていたので掲載します。

海を渡ったアワビ漁師達 1 -南房総とモントレーの地域国際交流

海を渡ったアワビ漁師達 2 -100年の歳月を越え甦る物語

地域の豊かな文化や歴史を掘り起こす在野の研究者/大場俊雄さん

※追記:ローカルニッポンの記事は私個人でテーマを選定していたわけではありません。当時の良品計画の生明部長はじめ編集部の方々の地域の調査と構想に改めてお礼を申し添えます。