全国ふぐ連盟と千葉県ふぐ連盟による「千葉県ふぐ交流会」が開かれ同行させていただきました。昨日はいすみ市の大原漁港でトラフグの水揚げを見学し、漁師さんからもお話を伺いました。
そして本日は館山市の三沢智県議の事務所で、トラフグの資源管理や利用を研究する高橋洋水産大学校教授による講演を開いていだきました。簡単にご報告します。
以前も東京湾口に日本最大級のトラフグの産卵場ができつつあることを投稿しましたが、研究は今も続いています。ただ、福島県や千葉県(特にいすみ市)、神奈川県では漁獲量が2019年ごろから急増しており、確度は高いようです。
トラフグといえばフグの最高級魚ですので、漁獲が上がれば漁業振興になり、宿泊、飲食業と連携ができれば観光振興にもつながることでしょう。
大原漁港では、ここ数年でフグの船は増え、若手漁師が活躍していると聞きました。また漁港前の飲食店でフグ料理が食べられ、「フグの唐揚げ定食」美味しかったです♪(トラフグではないそうです)
肝心の館山で漁獲量に大きな変化はないのですが、トラフグの特殊な漁法に取り組めば結果が出ることはほぼ間違いないと見込まれます。まずはここからだと思います。
その上でご存知、フグには毒がありますので、調理にはフグ処理師の資格が必要不可欠。ふぐ連盟は資格の普及に取り組む料理人の団体ですので、ここに接点があります。
東京湾口のトラフグで最も大切なポイントは、トラフグとマフグの交雑が増加しているということ。子だけでなくクオーターまで誕生しているそうです。どちらの性質も併せもつ雑種の喫食は危険ですので、鑑別できる処理師の重要性がさらに高まっています。
また、新興の東京湾口のトラフグは群外資源として水産庁の管理対象外。県ごとの自主努力管理となるそうです。福島県では乱獲を防ぐため独自にルールを決めたそう。せっかく生まれた巨大な産卵群を千葉県、神奈川県が協力して保全できるのか、早急な対応が問われているといいます。
今やフグは中華や洋食にも広がっており、最大の消費者は中国とのことで、インバウンド観光の可能性も。ふるさと納税で稼いでいるまちもあります。また、館山湾は養殖にも適しているようです。
喫食文化の浅い房総で、トラフグを生かした地域活性化が実るのか未知数ですが、美食のまちづくりに貢献したいと何度も館山にお越しいただいているふぐ連盟の皆様には本当に感謝です。
「食のまちづくり」の新メニューに育つよう願ってこれからも追いかけていきたいと思います。