館山市内のマルシェ運営に関わる方々による会合が昨晩、大神宮にある画家の石井崇さんのスタジオで開かれました。石井さんから本場スペインでのマルシェ(メルカド)や歴史文化についてご自身の絵や写真を交えながらご講話いただき、14人でマルシェについて語らいました。
石井さんはご存じ、長年館山とスペインのフェレイローラ村を行き来しながら創作活動を行っています。その昔、ジプシーと行商をやっていたことも異色のご経歴で、飾らないフランクなお人柄が周囲を惹きつけます。
実は移住したばかりの頃、とあるカフェで偶然隣に座ったことがあるんですが、私が哲学科卒だと言うとすぐに実存の話など持ちかけられ、度肝抜かれた覚えがあります。著書『おれたちがジプシーだったとき』も、どハマリしました。
その後、8年前には記事も書かせていただいて、スタジオはじめ小屋もDIY、広大な畑で自給自足の生活を送るライフスタイルは、まるで映画の世界。記事は今も以下のリンクで読めます。
https://localnippon.muji.com/1558/
スペインで石井さんが住む地域は各地区で、毎週曜日ごとにメルカドが開催されており、大きな街だと、道端に何千もの出店が並ぶそうです。
土地は行政が貸し出し、特に枠の指定などもなく、地代は一日高くて300円ほど。スーパーなどもありますが、とにかく新鮮で安い品物を求める買い物客でにぎわうそうです。
興味深ったのが、量り売り。野菜も袋詰めなどなくそのまま売る。参加された生産者の方によると、やはり袋詰めをなくせば大変なコスト削減になるものの、日本ではそれだと売れないという話も上がりました。
根本的な文化の違いはありますが、生活と密接にかかわるメルカドは、日常。会場からは日本のマルシェはハレとケでいうとハレの要素が強いがケに近づけたいという意見も。
一方、マルシェ運営は手間はかかるものの実入は少なく、品がなければお客さんに咎められ、集客がなければお店に頭を下げ…、半ば道楽でやらないと続かない面もあります。
とはいえ、今後の人口減少、過疎化が進む地方で、買い物を楽しむだけでなく、地域の魅力発信、交流、高齢者はじめ住民の健康増進、福祉の可能性もあるマルシェ。
昨日の話し合いに結論は出ませんでしたが、市内も各所でマルシェが行われています。昨日お招きできなかった方も含めて、垣根なく協力して盛り上げられないかと模索していきたいと思います。