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行政視察①北斗市・森町へ

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森町役場の前で。駒ヶ岳が美しい

9月議会が終わりまして、にわかに地域内外からご連絡をいただく機会が増えてきた今日この頃。HPでの更新が遅くなってしまって申し訳ありません。

先週水曜日から常任委員会(総務委員会)の行政視察で北海道に行ってまいりました。初日は函館市に隣接する北斗市、2日目はその北に20キロほど移動し、森町へ。

北斗市は人口4万4000人、森町は1万4000人の小さな自治体。高齢化率は30%、38%(館山は40%)と少子高齢化も同様に進んでいます。

北斗市庁舎でお話を伺いました

北斗市では、主に交通空白地の移動を支援する「巡回ワゴン」について話を聞きました。

館山も館山駅を中心として放射状に路線バスのルートが広がっていますが、その中間に位置する人はバス停から遠く不便。今後、免許返納者は増加の一方ですので、買い物、通院など特に高齢者の足をどう確保するのか大きな課題です。

北斗市の場合、人口は館山とほぼ同じですが、面積は3倍以上。空白地のエリアも広く課題感はさらに強そうです。そこで、路線バスルート以外の地域を3エリアに分けてぐるっと週2回、午前、午後の2便走らせています。

一方、利用者数は、3エリア中、2エリアが1便1人を切るなど低調です。後述する森町も、同様の取り組みをやっていますが、こちらは1便3.6人と比較的多い。(館山は市街地循環バスで6月1便4.9人)

色々と試行錯誤あるのですが、一つ選ぶとすれば、どうやら「バス停」を設けるのではなく、手を上げれば止まる「フリー乗降」は利用ニーズに即しているようです。ただ、国道など交通量の多い道路では許認可でNGという制約もあるためルートに工夫が必要です。

北斗市も地域公共交通活性化協議会なる行政と民間の会がありますが、民間との競合を避けるため、あくまで既存公共交通の「つなぎ」で巡回しています。目的地になるべく早く着きたい利用者からすると使いにくく、ここが行政主導の苦しいところですね。

北斗市から「いさりび鉄道」で函館へ

館山の場合、南房総市でもやっている「ボランティア移送サービス」を早期に着手してほしい。そして今話題の「ライドシェア」は都市部のタクシー不足解決だけでなく交通空白地の移送手段としても期待されますので、ぜひ国は推進してほしいです。

森町では、移住促進のための「ちょっと暮らし」と「応援アドバイザー」の話を聞きました。

市街型のトレーラーハウス

ちょっと暮らしはトレーラーハウスを1日2000円で貸して、森町暮らしを体験してもらうというもの。施設はリース期もありましたが約1500万円で町が購入。木材を基調としたおしゃれなつくりで、くっつけたり汎用性も広そうでした。

平成18年に郊外型の拠点をつくりましたが、高齢者の観光ニーズが多く移住に結びつかなかった。そこで平成30年に市街地型の体験施設を始めると少しずつ子育て世代の利用者も増えているといいます。

木材を基調としたトレーラーハウス内部

森町応援アドバイザーは興味深い取り組みでした。武蔵野美術大学と地域連携に関する協定を結んでおり、卒業生から地域おこし協力隊や町職員が生まれています。

同協定で活動した武蔵野美術大学の卒業生が、地域おこし協力隊としてリノベーションしている駅前の施設を訪問しました。

地域おこし協力隊の方が運営する施設

年に1回、同大の学生らが1か月にわたり研修を行う場所にもなっており、美大らしく、場所の装飾の他、道南のスギを使ったイスや机、ギターのボディーに至るまで、たくさんのアートが生産されていました。

道南のスギでつくったギター!どんな音がするのでしょう

駅前という中心部のインパクトもありますし、行政も学生の1か月の滞在費などを支援。学生が卒業して町にかかわる循環が生まれつつあります。

館山もいくつかの大学と連携してきていますが、学生さんにとっても有意義で今後のまちづくりに継続してかかわってもらう努力、仕組みづくりが重要かと思いました。